日曜日の夜。自室のソファで缶ビールを開け、のんびりテレビを観ていた時、スマホにLINEの通知音が鳴った。
画面を見ると、出入りの営業・田中さんからだった。
『鈴木課長、日曜の夜に突然すみません!先週パスタをご馳走になった時に教えていただいた五反田流のアプローチを試したら、ずっと断られ続けていた大手クライアントの役員から、ついに新規商談のアポが取れました!!本当にありがとうございました!!嬉しくて思わずご報告しちゃいました!😭✨』
文末には、飛び跳ねて喜ぶ可愛らしいウサギのスタンプが添えられていた。
缶ビールを持ったまま、思わず頬が緩むのを止められなかった。
42歳、独身。日曜の夜に若い女子営業からこんな感謝のLINEをもらって、ニヤけない男がこの世に存在するだろうか(いや、存在しない)。
『おめでとう!田中さんの熱意が伝わったんだよ。週明け、提案書の構成一緒に見直そうか』
なるべく落ち着いた、頼れる大人の上司風の文面を吟味して返信した。
すぐに『はい!よろしくお願いします!✨』と既読がつく。
いつも飲んでいる安物の発泡酒が、今夜だけはプレミアムモルツのような極上の味に感じられた。
明日からの仕事も、少しだけ頑張れそうだ。あと53日。
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